2015.12.7

アマゾンの初リアル書店【AmazonBooks】が誕生。日本進出は!? 全貌を徹底解剖。

アマゾンの初リアル書店【AmazonBooks】が誕生。日本進出は!? 全貌を徹底解剖。

Amazon.comは11月3日、アメリカのシアトルに、初となるリアル店舗AmazonBooksをオープンしました。

現在世界で最も広く利用されている「オンライン書店」でもあるAmazonが初めて出店したリアル書店。オンライン通販を始めてかれこれ20年、さらに近年、電子書籍端末などの発売によって出版業界の電子書籍化を推し進めてきたAmazonが、時代に逆行するかたちで出店したAmazonBooksの気になるその全貌を紹介します。

地域密着型、”街の本屋さん”を目指して

地域密着型、”街の本屋さん”を目指して

店舗に並ぶ書籍の品揃えは世界最大の通販サイトであるAmazon.comならでは。その大規模なデータを活用し、実際のレビュー評価、プレオーダー、売り上げ状況、有名作家やスタッフによるおすすめなどから絞りに絞り込んだ蔵書数は約5,000冊~6,000冊、そしてそのほとんどが星4以上の評価を得ているものなんだとか。

 

大型書店といえば、100万冊以上の蔵書を備えています。なぜ、ネット書籍販売を20年やってきたAmazonが5000冊ほどしかない規模の書店を出したのでしょうか。このような小規模な店舗にはAmazonの狙いと工夫が隠されているようです。

 

日本にもかつて商店街にあった”街の本屋さん”は、Amazon自身によるオンライン通販の巨大化や大型化する書店によって次々に廃業に追い込まれて行きました。しかし近年、顧客のニーズに細かく対応でき、本の魅力を直接伝える工夫を凝らした小型書店が見直されているそうです。

 

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米Amazonが出店した今回のリアル店舗はそうした仕掛けを重視しています。150坪という店舗の広さと選び抜かれた少ない蔵書を活かし、ほぼ全ての書物の表紙がみえるような陳列に。

 

中には売り上げが低くてもレビューによる評価の高い隠れた人気書籍などもセレクトされていて、その場で表紙を見て実際に手にとってみるお客さん側の楽しさを想定しているのです。

 

本屋さんにある魅力をぎゅっと集めたこの新店舗、特に買う予定もなかった本をついつい買ってしまうときのどきどきわくわくするような書店体験がAmazonBooksにはありそうですね。

オンライン店舗がだしたオフライン店舗というこだわり

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店舗内の書籍にはこのようにプラカードがついていて、実際にオンラインストアでつけられたレビューの内容を見ることができます。

 

店舗の書籍価格は、オンラインストアとおなじ。プラカードの下にあるバーコードは店内にあるスキャナーか、もしくはスマホのアマゾン公式アプリを使ってスキャンすると、直接オンラインストアのページにアクセスでき、そこに表示された値段で書籍を購入できるというものになっています。(アメリカでは日本とは違い書籍の価格が日々変動します)

 

アプリ側ではその情報にアクセスした瞬間に、オンラインショップでの購入履歴や購入傾向などをもとにお客さん一人一人のそれぞれの趣向を判断し、そして実際に店舗でそれを手に取っているお客さんが買いたくなるように、クーポンが発行されたり推薦コメントが出るという狙いも。こうした巨大なオンラインストアを運営してきたオンライン書店ならではのリアルで今までになかった書店体験を展開しています。

 

 

 

 

 

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店内にはアマゾンが販売しているタブレットや、TV、Amazon Echoなどの独自開発のデバイスを展示、販売しています。

日本出店は可能か、今後の展開は

残念ながらいまのところ米シアトル以外に新店舗を出すという計画は発表されていません。ですがAmazonBooksの幹部の一人が、地元紙シアトルタイムズから受けたインタビューでは、「この店舗が最後のひとつにならないことを願っている」と答えており、今後この店舗の業績によっては世界中に増えていくことになるでしょう。

 

 

気になる日本での出店ですが、その際の障壁となるのが『再販売価格維持制度』というものです。現在日本ではこの制度によって、書籍の値段を出版社が定めた定価以下で販売することができなくなっており、これによって出版社の利益が守られているのです。

 

このように自由に値下げのできない制度上、米Amazon.comで行っている需給状況などにより値段を変動して販売する「ダイナミック・プライシング」を利用した、そのときのオンラインストアで表示されている価格で買うというAmazonBooksならではのサービスは不可能ということになるのです。

 

ただ、そうした障壁がありながらも、既存の大型店とは違うこだわりを感じるAmazonBooks。日本でも出店されれば、運命的な本との出会いを求めて、ふとしたときに立ち寄りたくなる書店としての魅力を十分に感じられそうです。

 

近年書店の中にソファやカフェを設置し、そこでゆったりと本を読めるというサードプレイスとしての書店というニーズが高まる中、書店での本との出会いにこだわりを置くAmazonBooksがヒットすれば、同じようにこだわりを持った他の小型書店に対する需要も今後さらに高まるのではないのでしょうか。

引用

http://www.seattletimes.com/business/amazon/amazon-opens-first-bricks-and-mortar-bookstore-at-u-village/

http://wired.jp/2014/11/07/amazon-new-siri-like-speaker/

http://arstechnica.com/business/2015/11/amazons-first-brick-and-mortar-store-one-big-ad-for-the-amazon-app/

http://www.amazon.com/gp/browse.html/ref=pe_2270130_154133930_pe_button/?node=13270229011

http://www.sankei.com/premium/news/151107/prm1511070017-n2.html

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